

繊維豆知識
日本のみならず、様々な布地、繊維の豆知識を綴るコーナーです。
西陣織[京都府]
西陣織は博多織、佐賀錦などとともに日本を代表する絹織物であり山名宋全が陣をはったことにちなんで呼ばれるようになった京都都市西陣の先染め高級綾織物として有名です。金糸、銀糸を織り込んだ華麗でゴージャスな織物であり特に西陣織といえば絢爛豪華な帯を創造する人も多い程その存在感は抜群といえます。
起源は平安遷都794年にさかのぼります。朝廷が権威を保持していたころのこと。西北に織部司を設け官営の機業が栄えた時代゛でした。有職紋様などぴったりのイメージはそんな歴史があることからわかります。しかし、その京都も応仁の乱ですっかり荒れ果て、織部司もなくなりました。機業は官から民へうつりました。戦乱終息とともに機業は再興した。この頃より西陣とよばれるようになり復活したのですが、その後も幾多の困難の時代を乗り越えながらジャガードという新しい技術をフランスのリヨンより導入して、現在にいたっています。今では複雑で根気のいる工程を手織りで続ける職人も減り続け、手織りの工程を必要とする西陣の織物はは特に貴重な存在となっています。
その制作工程を動画でご覧ください。百聞は一見にしかずと申します。つたない私の説明文よりよく皆様にお分かりいただけるものと思います。(出典・伝統的工芸品産業振興協会)
西陣織とブックカバー・手帳カバー
有職文様と西陣織
有職文様といいうのは、平安時代末期から近世まで、公家の装束や調度に用いられた文様をいいます。その起源は奈良時代の、唐から伝来した織物にあります。大陸に由来する文様を日本人に親しみやすい文様にアレンジして公家階級がきわめて重要視した織物の文様であり、気品の高い色調や意匠などはまさしく公家文化の美意識の象徴でもあり、日本の織物分化の源流となるものです。
西陣織会館について
1200年もの歴史を誇る京都西陣には織物体験のできる会館があります。
職人さんによる実演コーナーや手織りの体験などができたり、西陣織の展示をはじめ
着物のショーや西陣の着物や帯。小物まで販売しているコーナーもあって楽しく西陣織と触れ合うことが出来ます。関心のある方は一度お出向きになっては如何でしょうか。

〒602-8216
京都市上京区堀川通今出川南入
TEL 075-451-9231
入館料:無料
開館時間:9:00^17:00
アクセス:市営バスにて【堀川今出川」下車してすぐ < 出典:週刊朝日百科・工芸技術染織6>
皆様この機会に有職文様の着物を着て和歌でもよんで、百人一首のほうがいいかしら、平安貴族の気分に浸るのもいいかもしれませんね。
伊豆のお針子の西陣織豆知識少しは参考になりましたでしょうか。そうそう私の西陣織の作品群ごらんくださいませね。
それでは次回まで御機嫌よう
あらあらかしこあらかしこ
クラフト作家高橋洋美 (社会起業家)
○バックナンバー
第一回 遠州綿織物(静岡県)

