ブックカバー、手帳カバー豆知識

伊豆のお針子無生庵のサイトでは、豆知識と題して皆様にほんの少々の「あれこれ」を提供します。

title_icon.pngブックカバーの背景と歴史

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 みなさまはブックカバー派ですか、それともそんなものはしない派ですか。もっともこのサイトをご覧になる方は少なくともカバーする派であることは間違いがありませんね。そもそもブックカバーってなんのためにするのでしょうか。ご存知ですか。これは日本ならではの文化のようですよ。たとえば自分の読んでいる本のことを不特定多数の他人に見られたくないとか知られたくないとか・・・。この心理も日本人独特のものでしょうか。奥ゆかしいといえばそうでしょうし、自分をあまりディスクローズしない国民性の表れといえばそれもしかり。

また恥ずかしいという文化、いわゆる【恥の文化】を持ち合わせる国民性といえばそれもそれなり。それ以外にも本が汚れないためにカバーをする、<かけるという響きの方が日本人らしいですね。>、同様に本棚に並べて置くときに日焼け防止ということに心を寄せるカバー派もいらっしゃるとか・・・。なんとも清潔好きな日本人らしい愛好家の皆様ですね。感心してしまいます。

 このほかにも書店側の立場から、御代済みの証拠だったり、お店のロゴマークを印刷して宣伝したりといろいろです。もともと、ブックカバーは「書皮」といって大正時代の古書店がはしりだそうです。ですからその歴史は90年程。原点は包み紙としての役割から始まったということですよ。確かに【包む】という文化は日本独特かもしれませんね。

 それに日本人は器用で真面目とくれば、昭和の高度成長経済の波にのって多くの書店が工夫を凝らし、サービスに徹し独自の包装紙で紙のブックカバーをかけることを営業の一環に据えながら発展していったことも記憶に新しいところですね。

title_icon.pngブックカバーの海外事情

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 ところでブックカバーは海外ではどのように使われているのでしょうかご存知ですか。

  外国では日本と異なりもともと本にカバーをかける習慣が無いそうです。書店の営業のサービスにも【無駄なこと】という認識がほとんどで一部の読書愛好家の人たちが手作りで作成したり、プロに特注したりするそうですがほんのわずからしく、そういえば海外の本の中には装丁自体が素晴らしいデザインであることが多いですよね。

 

 だからわざわざカバーをかけて覆うのはそもそも西洋人の美的感覚からすこしはずれているのかもしれません。国によって慣習や文化はいろいろです。その呼称もブックジャケットというのが正しく、ブックカバーはほんの表紙の部分をいうのだそうです。私は日本でいうブックカバーのことをかねてより【本のキモノ】といっています。とくに素材として着物地を使うためそう呼んでいるのですが、まさにブックジャケットと同義語ですね。考える原点は同じところにあるようです。

  また、伊豆のお針子のブックカバーは外国の人が関心をしめすのでは、、。とありがたいお言葉を下さる方もしばしばおいでになります。

  しかし残念なことにこの文化の違いと本の仕様、サイズがことなるためになかなか海外向けにブックカバーを販売するのは難しいことでしょうね。手帳カバーを兼ねたものはお勧めしたいのですが。

  これは私来年メイド・イン・ジャパン・プロジェクトの見本市にこの作品群を出品したいと思っています。海外の人々のなかには沢山の日本文化に造詣のある方々がいらっしゃるのも事実ですね。きっとそのうちブックジャケット愛好家が増えるかもしれません。

title_icon.png本のサイズ

 さて、ここで実用的な知識として知っておくとよい情報としては、サイズのことがあげられます。これもいろいろなんですよ。これは大きく分類すると

  • 1---文庫本サイズ<A-6>
  • 2---新書本サイズ
  • 3---単行本サイズ

となります。

ただし出版社や時代によって若干かわります。調べれば結構分類できるのですが、ここのところはユーザーの皆様がわかりやすいように情報を提供することにいたします。

 

 縦の長さはカバーを選ぶのには必要なサイズとなります。カバーに収めることが出来るように多少のゆとりのあるものを選びましょう。

 文庫本本体の縦サイズは148ミリ~153ミリ、横サイズは105ミリ~107ミリ、厚さが10ミリ~20ミリと思ってください。

 新書本本体のサイズは縦174ミリ~182ミリ、横サイズは103ミリ~116ミリ、単行本サイズは縦188ミリ~195ミリ、横サイズ127ミリ~139ミリと一番種類があります。ハードカバーという上製本は中のページより大きなサイズのカバーのもの。並製版といって中のページと同じ大きさのカバーがついているものなどありますので購入するときはよく寸法を測っておくとよいかもしれません。

 

 因みに「伊豆のお針子」のカバーはブックカバーも手帳カバーもゆとりを持たせて制作しております。その分芯地をしっかり裏打ちしたり、自在芯を別添したりしています。気になる場合は問い合わせてみることをおすすめします。他にもB-6サイズ、縦182ミリ×横128ミリ。A-5サイズ、縦212ミリ×横149ミリ。菊版サイズ、縦220 ミリ×横152ミリなどが代表的な本のサイズとなります。本屋さんではないのでこれ以上は混乱するので記載しませんね。

 

 以上がブックカバーのほんの少々の知識ですが覚えておくと何かと便利と思います。

 

title_icon.png手帳カバーの背景

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 つぎは手帳カバーのあれこれを記載します。そもそも手帳は手の中に納まるような小さな記録本のことをいうのだそうです。これは文字通り手帳なのですね。手帖とも書きますがこれは何となく響きがいいとおもいませんか。素敵だしちょっぴり訳あり感がありそうで・・・松本清張の作品に【黒革の手帖】というサスペンスがありましたね。これを手帳とすると大変事務的で情緒がありませんよね。ですから皆様は手帳で買って手帖になさるとよいのです。その節は伊豆のお針子のカバーをして沢山の秘密を書いて行ってくださいね。ある意味で手帖は日記帖に似ていますね。日記帖も素敵なカバーをしたりするのがお似合いですね。その昔お菓子の箱やチョコレートの缶などに自分なりにいろいろ手を加えて素敵な世界に一つだけの秘密の小箱を創ったりしませんでしたか。私は夢中になって創ったことを覚えています。そんな時母はお裁縫箱などにこれを使っていたものです。とてもワクワクするひとときでした。これが今のカバー制作のワクワク感と同じことで、制作中はワクワクしているのです。どんなカバーが仕上がるのかがとても楽しいひとときなのです。私は手帳カバー、ブックカバーは読むこと書くことの大切な暮らしの中のひとときを楽しくなることを想いながら心を込めて制作にあたっています。ワクワクドキドキしながら・・・。人生にこの感覚とても大事なんですよ。

 手帳は他にも身分証明書を兼ねたものもあります。 所属する会社のビジネス手帳、県民手帳なども近頃人気もの。また警察官の証明の警察手帳とか、官公署手帳などはたくさんあります。そして国民にとって大切な年金手帳などもありました。  これらは【手帖】ではなく【手帳】でしょうか。日本語は難しいけれど楽しい使い分けができてとてもおもしろいものです。伊豆のお針子の手帳カバーは手帖カバーにしましょうか。とも思いますが、皆様が手帖になさっていくのが一番です。

 ところで、手帳カバーは英語では何というのでしょうか。これは多岐にわたります。たとえばpocketnotebook/schedulebook/personaiplanner/dayplanner/personalorgahizer/appointmentbookdaiary/memorandambookなどなどいろんな呼称になりますね。それだけ用途が予定帳から日記帖に至るまで幅がひろいということでしょうか。ここで私がとても好きな手帳の呼称をご案内しますと、それは【カルネ/carnet】というフランス語の呼び方です。とても響きがいいですよね。フランス語はこれだけです。日本語では二つ書き文字がありました。カルネに匹敵するのは「手帖」のほうでしょうか。伊豆のお針子の手帳カバーは手帖カバーとしたいところなのですが今のところは一般的に用いられる手帳を使っています。ご購入された方がどちらの趣きになさるか決めていただく方が重ねて申し上げますが一番よろしいのではと思います。     

読むこと、書くこと、手創りすることを暮らしのなかで大切に!

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 上記メッセージは伊豆のお針子無生庵のキャッチフレーズです。

 私はこのことを制作活動とともに社会にアピールして参りたく社会起業家として活動して参りたいと思っております。

 その動機と原点はと申しますと、社会病といわれるほど蔓延している【心の病】とよばれる不可思議な病のことです。私もかつてこのような不可思議病にとりつかれた経験がありました。周囲のひとに尋ねると結構罹患者は多いですね・現代病・社会病といわれる由縁でしょうか。私が社会に自身の制作を通して訴え貢献したいことは、このように大変元気で日々活動できているのも、いわば日本人のDNAともいえる読んだり、書いたり、手間暇かけててづくりしたりの伝統に裏付けられた精神文化のお蔭だからといっても過言ではありません。今日本の伝統文化がみなおされているのもこのことと無縁ではないでしょう。江戸時代には寺子屋で庶民は読み書きそろばんを学びました。日本人の識字率の高さはこのような暮らしの中の学び舎にありました。商人も大抵通い帳や過去帳など筆゛でしたためていたものです。すばらしい生活習慣ですね。そしてなんでもてづくりだったことは時代の人々の暮らし向きで承知のこと。現代のように医学の進歩で長寿とはなったものの、一向にうつ病とやらの解決策は見いだせないままの現状のようです。いわば知恵なし策なし、薬のみ。という罹患者にはお寒い現実をどう皆様受け止められますか。

 ブックカバー、手帳カバーのおはなしでしたかしら。もうしばらく不可思議病のおはなし書かせてくださいね。ちゃんとつながります。世の中はとても速いスピードで変化しています。寺子屋の筆を使ったお習字は今やひとり一個のタブレット。連絡も調べごともみーんなスマホの時代。以前読んだ新聞のコラムにこんなことが記されていたことをおぼえています。それは文字メディアと映像メディアは人の脳の活性化や情報の意味づけにたいしての影響力が根本的にことなるそうで、単なる記号でしかない文字の羅列である文章を頭の中で具体化して理解するには、それなりに想像力や構成力が必要とされるため【心の目】が養われるそうです。なるほどと昭和生まれの私は頷いてしまいますが…。映像メディアはあまりこういう力は必要とされず一方的に外から与えられる共通でありながら受動的な知識を迅速に容易に享受。便利でそれはそれなりといえども人として大切な想像力や物事を組み立てる力が欠如してはかんがえものです。ひいては実体験、リアルな現場で五感で感じとり五官で体験し【知恵】を身に着けていく人間の大事な作業を忘れてしまってはいけません。ひいては【心の目】が養われないことにつながるからです。

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 私はこう考えます。IT社会を否定するのではなく、いわゆる文明の利器を受け入れながら、寺子屋時代、もっと以前の日本人の暮らし向きや佇まい、日々の暮らしで取り入れてきたこと。なども大切にして、両方のいいところを共に受け入れて生活していくことだと思います。温故知新とは何時の時代にも欠かせない言葉ですね。このことを私は自身の経験に基づいて大いに主張したいと考えています。

title_icon.png書物の正しい扱い方と保存方法について

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 昔の人は暮らし向きも丁寧でしたが物の扱い方も丁寧でした

 本の扱い方も同じように丁寧だったんですね。現代人、参考にしましょう。私は図書館で借りた本を返却しなかったり、勝手に線を引いたり、破いたりする人が増えているということに心が痛みます。そんなことのない社会になるようこころがけたいものですね。

 昔の本で文学博士(大島康正)の監修された、「心の教養」という本のなかに書物の扱い方が掲載されていました。本を丁寧に扱うことは心の教養に繋がることなのです。知識を頭に詰め込むだけでぞんざいな扱いをしているのならば心の教養は身につかないということなんでしょうね。もっともなことです。家庭教育のなかに自然に実践されてきたことなのです。

 

  • その1--直射日光にあてないこと。火にかざさないこと。
  • その2--傷つけないこと。ページを折ったりやぶいたりしないこと。本の近くに食べ物を置いたりその上にのせたりしないこと。
  • その3--湿気をさけること。
  • その4--本棚に収めるとき曲げたりしないこと。

とあります。そしてその置き場所は暑すぎず寒すぎず湿気がありすぎず乾燥しすぎず・・・ほとんどこれは人が暮らす快適な環境と同じことですね。そして一年に一度虫干しせよ。とつづきました。

 これは当たり前のようでなかなか現代人にとっては難しい生活習慣でしょうか。でも今でも読書愛好家の皆様方はかなり実践なさっておられる様子がフェイスブックなどでわかります。まだまだ捨てたものではありません。あくまで一部の不届きな輩と思いたいところです。ひとも年に一度とは言わず定期的に虫干ししたいですね。日向ぼっこはいいけれどこの正しい扱い方によると本を読みながらとはいかないですね。おそらく読書するときはそれなりの環境で読書のみに集中せよ。ということなんでしょう。

title_icon.png正しい読書の姿勢について

 やはり読書の姿勢は大事でしたね。寝そべって読む、足を投げ出して読む、などはもってのほか。電車の中で立ちながら読むのもけっして読書の良い態度ではないらしい・・・。昔と違って現代人、忙しいからこれくらいはいいことにしたいですよね。結局正しい姿勢をとって読書タイムを暮らしの中で設け良い生活習慣を身につけましょうということなんだと思います。

 その良い態度となる姿勢はーまず机に向かって背筋をのばす。書物から目までの間隔を30㎝ほどあけてこれより近づけないよう心がけるーとありました。悪い姿勢で読む習慣ができるとかえって背筋や首筋が痛くなり肩こりや疲労感もおおきく、大切な目も悪くなることにつながるのだそうです。

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 これはそのとおりかもしれません。座禅を組む健康法もおなじことを言っています。へその下、握りこぶしひとつあけたところの「丹田」に意識を集中し背筋を伸ばしゆっくり呼吸を整えるのですが最初はきついけれど徐々に苦痛で無くなりやがてかえって楽になるということと全く同じことで、良い姿勢は良い生活習慣をもたらし心身の健康につながるわけです。

 これは読書に限ることではなさそうですが【読書の時間】を暮らしの中で持つということが大切でそのときの向き合う態度はこうあれば健康につながる。とかんがえられませんでしょうか。若いひとに今、スマホ老眼が増大しているとか言っていますが、今一度暮らしを見なおすのも現代人にとっていいことだと思います。

title_icon.png文字活字文化、着物文化、手仕事文化の啓発

キャッチフレーズとともに制作や活動をささえる伊豆のお針子無生庵のコンセプトです。

本を読んだり、文字を書いたり、手間暇かけててづくりしたりする【暮らしの中の大切なひととき】が少しでも楽しくなるよう、そんなひとときを日常につくりたくなるように伊豆のお針子・無生庵はブックカバー、手帳カバーを通して提案しています。

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