庵主のつぶや記

                庵主のつぶや記  19

                          精明院釋妙縫
  全国的に梅雨は明けましたでしょうか。皆様いかがお過ごしですか。これから本格的に暑い日々が続きます。どうぞご自愛ください。お陰様で避暑地の「箱根」は毎夜クーラーをつけっぱなしということはありません。少し前まではクーラーを取り付けているご家庭は少なかったそうで、この頃の高温多湿傾向の強い気象状況となってクーラーを取り付ける住民が増えたとか。私は夫の介護をしているときは体調を鑑みてクーラーと除湿器を併用してお部屋の環境を整えておりました。亡くなって一人暮らしになったと同時にコロナ禍の生活やら、ロシア・ウクライナ問題などで電気代の高騰、物価高と襲い掛かって参りましたので、それなりに節約したり考えながら生活しております。自律神経の乱れなどがかなりこのような高温多湿の中では影響されるようです。これには入浴の時ちょっと努力をしています。幸いにもお風呂は温泉が蛇口をひねれば出てくるという好環境です。盛夏でもシャワーだけということはなくしっかり湯船につかり一旦出て冷水シャワーを浴びます。これを3回繰り返すことで結構自律神経の安定をもたらしているように思います。どうぞお試しくださいませ。
 今年の梅雨も水害に見舞われた地方がございました。せっかく人々は一生をかけて暮らしを整え我が家を安定させることに邁進されたであろう大切な暮らしを一瞬にして失ってしまうのですから自然も恐ろしいものです。ですが年々繰り返される被害のあり様から何か学んで対策を講じることはできないものなのでしょうか。日本のみならずこのような傾向は世界中の問題です。対自然といっても欲の深い地球に住む人間の引き起こす人災という要因も含まれていることは否めません。自然を守る、地球を守ることを為政者たちは真剣に考えてほしいと思います。すくなくとも今は戦争で地球人を分裂させるような時ではありません。「花はどこに行ったの」という反戦歌がベトナム戦争のころよく歌われていました。PPMというグループだったと思います。暮らしから花が無くなるとは悲しいことです。お花畑でなく地雷原がそこかしこになんてことは避けなければなりません。勝ち負けなんてありません。ささやかな人々の暮らしを破壊してはいけません。みな一生懸命に生きているし生きてきたのですから。
 最近は「戦況」と称してお茶の間で戦いあう姿や武器弾薬の砲撃状況がテレビで報道されることが日常化し我々は食事中にその映像をLIVEで見ることも多くなりました。日本の社会事件も不可解な理由で殺人をするような人が多くなりました。悲しいことですがこの現実とどのように向き合ったらいいのか子供を育てる親御さんも悩ましいことでしょう。
 夏の花といえば「ひまわり」ですね。映画の「ひまわり」を思い起こします。戦争で引き裂かれた夫婦の悲しい物語でしたね。ソフィア・ローレンの名演技が評判でした。あのひまわり畑はウクライナのお花畑なのでした。ソビエト連邦の頃の映画でしたから、あの頃は同一のスラブ民族の地域だったのですね。私はそれほどの知識もありませんがスラブ民族の培ってきた文化・芸術に一目置いておりました。音楽も文学も絵画も建築も素晴らしいものだったと記憶しております。とても心の痛む戦いです。一日も早くやめてほしい。そして花を取り戻しましょう。なんてことのない人々の暮らしの中に平和があるのではないでしょうか。そのような人々は今や報道されることもなくこの世から姿を無残な形で消されてしまっている悲しい現実に言葉がありません。勝つとか負けるとかの話を今世紀にするのはどうかと思います。とにかく悲しく空しいだけです。地球の至る所でおこる災害は神仏が警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。地球に生きる欲張りな人間どもよ。早く気づきなさいと・・・。少欲知足でこのような現実社会を生き抜きましょう。幸せは身近にあるものです。小さな幸せすら見いだせなくなってしまった人々の代わりに身近な小さな幸せを見出し感動して暮らしてまいりましょう。花の戻る日を願って。合掌。

               ひまわり畑.PNG
                      伊豆のお針子無生庵